「books 電線の鳥」について

〇どんなお店?

 

 

 当店がご提供するのは「本と コーヒーと うたた寝」です。

 

 

本とコーヒーは分かるけど、うたた寝ってナニ?と思われるかも知れません。

 

 

日常の中で眠りにおちて、うまいこと熟睡できた時。暫く眠りの世界にいて、ぱっと目を覚ました時に、今自分がどこにいるのか見失うことがあります。

 

時間が軽くワープするというか、現実と違う流れかたをする感覚。

 

 

そんな時は、なぜか頭の中がスッキリしている感じがするものです。

 

 

 古本それ自体にも「うたた寝効果」があるような気がします。

 

違う時間の流れを作り出す、古本の持っている何らかのパワーがある。

 

 

 

 探検家の角幡唯介さんが極寒の中で本を読んでいる写真があります。 眉毛もヒゲも白く凍っているのに真面目くさった顔でページをひろげている姿は、いっそユーモアさえ感じさせますが、極地探検という冒険物語の中に身を置きながら、なおも本を読むのは何故か。そんな時にも、本を通じてさらに違う世界を旅したいものかも知れません。そこでは時間が重層的に流れているように思います。

 

 

 当店も、ここで過ごして頂けたら、しばし現実と違う時間の流れを漂って再び日常に帰っていく、

うたた寝のような空間でありたいと思っています。

 

もちろん、リアルにうたた寝して下さってかまいません。

 

 

 

○どんな本があるの?

 

 

 「どんな本を扱うのか」と質問されてしばしば答えに窮するのですが、ジャンル分けを余り意識しないように心掛けています。むしろ、簡単にジャンルに収まらない、類書の少ない本を置きたい。

 

 

 本は、大量に刊行されて消えていく…いい本なのだけれど着目されないまま消えていかないように拾い上げて、そっと置いてある場所でありたいと思います。「こんな本があるよ〜」という感じで。

 

 

もちろん、お客様にとってのいい本は、お客様自身が見つけるものです。

 

 

 

○本屋さんについて

本屋さんでお客さんが棚を見ているまなざしは、とても真剣。

 

  本好きは旅先でも本屋さんに立ち寄りますし、古本屋さんを目的としてわざわざ遠くの町にいくこともあります。土地に根差して、文化や街のたたずまいごと、まるごと味わうお手伝いになれるように精進したいと思います。

 

 玄関土間と八畳茶の間の小さな空間で、日本一回転率の悪い古本屋さんにしたい。

 

 イベント開催を通じて人と人との交流の機会も提供したいと考えています。

 

どうぞ宜しくお願い申し上げます。